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大切に思うこと・・・素材を活かすこと
素材(材料)には厳選した木と漆を用います。
器にとって木は土台です。綺麗な器も後から割れては使えません。
ですから、伝統に裏打ちされた樹種を選び、最適な状態でつくり始めます。
次に大切に思うこと・・・カタチを考える
一見すると同じカタチに見えても、用途に合わせたデザインは毎日の使い勝手に差が出ます。
例えば汁椀。丸みと厚みに注目してください。熱い汁が口に流れるスピードを決める丸みと、
手に温かさが伝わる厚みがあります。
スタンダードなカタチの中に使いやすさを重視したデザインを心がけています。
そして大切に思うこと・・・手を抜かない・加えすぎない
多くの工程を必要とする漆器は、それだけコストに反映されます。
下地工程の見えにくい漆器は、コスト(価格)や作業性のために、
手を抜くことや材料の質を下げる方法が採られ易いのです。
また、手をかけることは悪いことでは無いのですが、大事なのはコストとクオリティのバランスだと思います。
昔の技法は理にかなっていますが、現代と大きく違うのは人件費です。
手間と材料のバランスを見直す。言い換えれば、抑えていた漆を充分使えるようになったとも云えます。
必要以上に手を加えるより、良質な材料にコストを掛けることで、現代のベストバランスを目指しています。
漆のうつわは環境にも食の安全にも最も適した『使える工藝』です
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